自律神経について
自律神経系は身体の内部環境と外部環境の間に位置して身体機能を調和し、生体恒常状態(心血管制御、呼吸制御、体温調節、消化管運動、排尿・排便機能、生殖、代謝内分泌生理機能)を保っています。また、自律神経系はストレスに対する順応反応(戦うか逃げるか反応)の調整も行っています。自律神経系は中枢においても末梢においても、行動や生理的な反応を調和させ、統合させる重要な役割をしています。
たとえばストレスで交感神経が刺激されると骨格筋の血管が収縮し、汗腺を刺激して発汗(冷や汗)をもたらします。心理的ストレスでは血圧上昇を伴い、心拍数増加、酸素消費量の増加などにより、不整脈が生じることもあります。これらのように、温感・冷感、動悸、頻脈、悪心、腹痛、下痢、便秘などは自律神経系ストレス反応によるものです。これら以外にも、臨床的な痛みを感じる状態におけるストレスの役割は大きく、不安やストレスで慢性的な腰痛や消化管の機能的異常が発症したり、悪化することが示されています。
また、自律神経は運動神経や感覚神経と相関があり、自律神経に異常をきたすと関連した運動神経・感覚神経に影響を及ぼし、反対に運動神経・感覚神経に異常がある場合には関連した自律神経に影響を及ぼします。そのため、身体の痛みやさまざまな不調は身体の一部分だけではなく、総合的にみる必要があります。
当院では自律神経の調整に微弱電流治療機を取り入れています。
◎痛みについて
自律神経の働きについて
【参考文献】ロバートソン自律神経学/デビッド・ロバートソン