骨盤・姿勢について

骨盤・姿勢について


骨盤について

骨盤について

 骨盤は寛骨・仙骨・尾骨で構成され、仙骨の上に脊柱が位置し、寛骨に大腿骨との関節面があって男女で形が異なります。また、生まれもって左右非対称にできていて、左側の骨盤のほうが大きい傾向があります。そのため腸骨稜の一番高い位置(脇腹の辺り)は左側が高い場合が多く、螺旋状のねじれがあり上部では時計回りに、恥骨部では反時計回りになっています。

 ヒトの骨盤は二足歩行に適応するため大きく変化し、仙腸関節で上半身を支える構造になりました。骨盤には多くの靭帯があり、この靭帯が緊張することで寛骨と仙骨をつなぐ仙腸関節が安定します。安定させるための靭帯の一つである仙結節靭帯には、大腿二頭筋長頭の起始の一部があるため、間接的に脚の筋肉も仙腸関節の安定性に関与しています。この仙腸関節は中腰の姿勢が最も緩んだ位置で、腰を反らせた状態が最も締まった位置で安定した状態とされています。緩んだ中腰の状態で行う繰り返す作業や、不用意に重いものを持ち上げたり、腰を捻ったりして骨盤周囲の筋肉の協調性が崩れると、仙腸関節の機能異常が生じてぎっくり腰や腰痛の原因となります。

 また、ヒトが生まれもって左右非対称である(筋肉、内蔵器官、骨格、骨盤など)ことや捻れ、姿勢や生活習慣、スポーツ特性に加えて日常生活を送る上で受ける重力の影響などで、身体の連動性低下により骨盤周辺の筋の過緊張などを招いて、腰痛や股関節痛、恥骨部やおしりの痛みなど、さまざまな影響を及ぼすことがあります。


【骨盤底障害による症状例】
・便秘
・排尿困難
・腹圧性、切迫性尿失禁
・便失禁
・骨盤臓器脱、骨盤底脱
・性交疼痛症
・一過性直腸痛
・尾骨痛
・骨盤底緊張性筋痛症
・慢性骨盤疼痛症候群

当院の骨盤調整について

【参考文献】仙腸関節の痛み/村上 栄一、身体運動学/市橋 則明

姿勢について

立位姿勢は乳幼児期に完成

 立位姿勢は中枢神経系・相働筋の姿勢機能や安定機能の発達によって、生後1ヶ月から4歳までの乳幼児期に完成されます。不良姿勢は中枢神経系と筋骨格系の機能不全から、全身の筋肉や筋膜のバランスが崩れることが原因となって筋緊張、筋収縮、筋バランス、協調、パフォーマンスの変化として現れてきます。筋のアンバランスは全身的な影響を受け、痛みや違和感など身体の不調、関節の変形をきたしたり、上位交差症候群・下位交差症候群などの原因になります。また、筋アンバランスは日常生活やスポーツ・趣味などでの偏った動作や、骨折、ぎっくり腰、足首の捻挫などの怪我に起因するものもあります。筋バランスの調整をして姿勢を整える、それを維持する身体の使い方や体幹部の筋力をつけることで肩こり、腰痛や膝痛など様々な痛みやO脚の改善、体の連動性を高めることでコンディションやスポーツのパフォーマンス向上につなげることもできます。また、高齢の方は呼吸が楽になり嚥下しやすくなる、転倒にしにくくなるなどの効果が期待できます。

動きの制限は痛みやしびれの原因にも

 パソコン作業やスマートフォンでメールを打つ、あごを突き出して頬杖をつく姿勢など、背中を丸めて顎を突き出す猫背の姿勢では首の後ろや背中の筋肉は緊張してつまるように、肩は前の方へ巻き込むようになり、あごは前に引っ張られます。このような姿勢は前に引っ張られた頭(5kg)と両腕(4kg×2)を支えるため、首や肩甲骨周りの筋肉が引っ張られて緊張状態になり、首や肩のこり感につながります。またこのような猫背姿勢は、ストレートネックの原因になります。

 このようにバランスを崩して代償的な動きをすることで硬くなったり、短くなったりして過緊張を起こした筋肉が様々な生理的反応の過程を経たのち、エネルギー不足に陥った筋肉は発痛物質を放出し、神経を刺激することで痛みを感じます。また、これが交感神経の活動を高めて部分的に血液が行き渡らない状態を作ります。不良姿勢からの痛みには、筋肉の緊張が持続して血液が行き渡らない状態になる肩こりのような症状や、筋筋膜性の腰痛や膝痛などがあります。痛みのない身体づくりのためには、局所の負荷を減らすことも大切です。

当院の全身調整について




上位交差症候群

上位交差症候群

 上部僧帽筋、肩甲挙筋、大胸筋の硬化、頸部深屈筋と肩甲骨の下部安定筋の抑制が特徴。立っているとき肩が上がり突き出し、肩甲骨の回旋と外転、翼状肩甲、頭の位置が前に突き出す姿勢になる。このような姿勢になると、頭・首・胸部の連結部が圧迫されやすくなり、肩甲骨の安定性が低下して上肢の運動パターンが変わるもの。


下位交差症候群

下位交差症候群

 股関節屈筋群と脊柱起立筋の硬化、殿筋と腹筋の弱化が特徴。この筋のアンバランスによって骨盤が前傾して股関節の屈曲が増え、その代償として腰椎が過度に前弯する。そのため両股関節のほか、腰部にも過剰なストレスがかかりやすくなるもの。


レイヤー症候群

 上位交差症候群・下位交差症候群の2つが組み合わさったもの。これが認められるときは筋のアンバランスが中枢神経系レベルで固定されている。


筋筋膜性疼痛症候群

 筋膜の異常が原因となって痛みやしびれを引き起こす疾患のこと。筋緊張性頭痛、腰痛、膝痛、手足のしびれなど、さまざまな症状の原因となっていることがある。

【参考文献】姿勢の教科書/竹井 仁、脊椎のリハビリテーション/クレイグ・リーベンソン