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2019/03/15

呼吸、運動パフォーマンス、心身の関連性

以前から呼吸の重要性について書いてきました

呼吸が身体にどのような影響を及ぼすか

患者さんに接する時にも伝えています


生命維持のため絶対に必要な酸素を、身体に取りこむために息をしているわけで

この酸素は血液中に混ざって、心臓のポンプ作用で全身に送られます

この身体に取り込む酸素が少ないと

脳の働きが低下してあくびが出るとか

ぼーっとしたりとか

その他にもさまざまな不調の原因になります

(過去ブログ「呼吸の身体への影響」を参照)



体内に取り込む酸素をうまく取り込めなくなる時といえば

火事で煙がもくもくしてたり

水の中だったり

宇宙でそもそも酸素がなかったり

と、いろいろ考えられますが

これらは「環境」の問題です


それに対して「機能」の問題として

肺がんや肺気腫など、酸素を取り込む肺の機能が低下している場合

脳死などで自発呼吸ができない場合のほかに

そもそもの「呼吸」の仕方に問題があることがあります


息を吸ってはいてを繰り返すという動作ですが

1日におよそ2万回も行っています

肺の中は陰圧になっているので、中に空気を入れるためには

肺を広げて膨らませる力が必要になります

その役割をしているものが「横隔膜」という筋肉です

焼き肉でいうハラミの部位にあたります(笑)

この横隔膜をしっかりと使ってする呼吸が、いわゆる腹式呼吸です

最近はヨガやピラティスをしている人も多いですが、これらは腹式呼吸を意識的に行います


それに対して息を吸ったりはいたりすると

肩が上下する胸式呼吸があります

胸式呼吸では首回りや肩の筋肉を使って肺を広げようとするため

首が太くなったり、肩こりの原因になります

また、腹圧がかかっていないため腰椎や体幹部は不安定になり

腰痛の原因にもなります


そのほか

ストレスやトラウマ、悩み事など心理的不安は呼吸を浅く、回数を増やし

交感神経を優位にさせ、心拍数や血圧の上昇、多汗、筋緊張などを引き起こし

この筋緊張は肩や首の痛み、頭痛の原因になります

(自律神経についてはこちらを参照)


呼吸の回数が増えると、血中の二酸化炭素濃度は下がり

血管や消化管は収縮して疲労感、感覚低下などの原因になります

また、カルシウムイオンを尿中に放出、不足して筋肉の収縮や神経の伝達がうまくできなくなります

これがスポーツ選手であれば、パフォーマンスの低下に繋がります


このように呼吸は身体の痛みや運動のパフォーマンス、心身にも相関があります

たかが息を吸って吐くという動作ですが、侮るなかれ